人生談義
ストア後期の哲学者、エピクテートスの語録。
色々な話が載っているが、要点はほぼ同じ。
人事を尽くして天命を待つということと、人事と天命の区別の仕方が様々な表現で述べられている。
翻訳者もあとがきで愚痴っているように、文意が不明瞭な部分が多く、何度か読み返さないと誰が誰に何を言っているのか分からないことも多々あるが、主張の要旨は単純明快でかつ首尾一貫しているので、読みづらさを差し引いてもなんとなく理解できる。
2000年を閲してなお色褪せず現代でも通用する普遍的な思想の切れ味は凄まじく、日常のありとあらゆる悩み事を例外なく一刀のもとに切伏せてくれる。
読書にかかるカロリーも凄まじいが、度々読み返したくなるであろうことを予感させるだけのポテンシャルを文句なしに備えている本。
残念ながら現在は絶版のようで、ネットで検索すると定価の10倍以上のプレミア価格をつけているところもザラであり、購入を躊躇させるポテンシャルも文句なしに備えている。
幸い、近所の図書館ですぐに借りられた。
こういうとっかかりにくい名著は不人気な割に図書館に置いてある確率は高いから助かる。