雨の一日
今日は始まりから冷たい雨が降り続く、冬を先取りしたような寒い一日になった。
寒さに加えて垂れ込める雨雲のせいで薄暗く、気分どころか体調まで落ち込んでくる。
昨日から引き続き風邪とみられる症状が出ている。
時々鼻水やくしゃみが出るし、のどから右耳の奥に、つばを飲み込んだりネットサーフィンや読書による目の疲れを感じたりするたびに思い出したように疼く、些細ではあるが、さりとて気持ちをささくれ立たせる、なんとも癇に障るいやらしい痛みが居座っている。
週刊少年ジャンプが変則発売日なので、朝食後に徒歩で買いに出かける。
近所のスーパーに置いてなかったので、家族から頼まれた特売の卵を買っていったん家に置きに戻り、スーパーより遠いが確実に目当てが置いていあるはずのコンビニへ再び出発する。
弱い倦怠感はあるが、歩くと体のあちこちで滞っていた体液が溶解してにわかに循環を再開したような心地よい活力が湧いてきた。
コンビニに無事到着し、目当てのジャンプを手に取る。
習い性でコンビニの食品売り場を通りかかると、昨日おいしくいただいたスペースアポロが新たに二つ入荷されていた。
二つとも手に取ってレジへもっていきたい衝動に駆られたが、テレビで品薄という話を聞いていたので、自分一人でこの楽しみを独占するのもはばかられ、実際に手に取るのは一つだけで我慢した。
ジャンプとスペースアポロを購入し、外出の目的は完遂したのだが、十数分の徒歩運動によって活性化した心身から、さらなる活動の欲求が湧いてきて、このまま帰るのがもったいなく感じ、この後どうするべきか、思わず立ち止まって思案に暮れてしまった。
しばらく思案に暮れた末、明後日の職場見学と体調を考慮し、万全を期すべく、そのまま帰ることにした。
ジャンプを読んだり、積読になっていた本を消化したりして、自宅内で半日を過ごす。
寒かったので、新しいエアコンを設置してから初めての暖房機能を使用してみたところ、すこぶる暖かい。
右の歯の痛みはほとんど感じないが、今度は左の上の詰め物がしてある奥歯に、強くかみしめた時に痛みが出るようになった。
のべつ幕なしに入れ替わり立ち代わる口内のトラブルの弾幕に、消耗までには至らないものの、健康な体調の領域へ到達する最後の一歩の進行を押し留められる、じれったい気分を味わされている。
口は、感覚における脳神経細胞の占有比率が他の身体部位より大きい部位で、ちょっとしたトラブルでも、認知の上では拡張されて意識の地所を大きく占拠してしまい、全般的な意欲を減退させ、意識の参加を要するほとんどの活動の質を大幅に引き下げてしまうのが厄介で煩わしい。
入念な歯の掃除で痛みが解消できたかと一時安寧を得たが、ここにきて、入念な歯の掃除自体が逆に歯や歯茎にダメージを与え、新たな痛みの原因となってしまっているという皮肉な結果を招いている可能性も浮上してきた。
過ぎたるは猶及ばざるが如し。