ざっくり雑記

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新本格魔法少女りすか

長年続巻を待ち望んだ「新本格魔法少女りすか」の続巻にして最終巻である4巻が発売された。

 

忍耐の限界を越え、諦念の境地に至り、ついには忘却の彼方に消失しかけていた本作の続編が、まさか10年以上もの歳月を経て再び世に送り出されようとは思いもよらず、完全な油断を衝かれた不意打ちの朗報に愕然同然の歓喜を禁じ得ない。

 

最新刊にして最終巻である4巻を読むにあたり、1~3巻の内容を復習するために再読を開始した。

 

一度目を通したストーリーだが、いい感じに記憶が薄れており、本作作者独特のくどくどしい言い回しにもほとんど躓かずスムースに読み進める割りに、既知であるはずの展開には新鮮味があって、微塵の倦怠もなく快適に楽しめた。

 

とりあえず1巻を読了。

 

読み直して意外だったのは、流血が魔法の発動条件となっているヒロインりすかにとって、魔法の随意発動には自傷が避けては通れない設定となっているが、「りすか」というそのものずばり自傷行為の代名詞を冠したネーミングなのに、1巻ではリストカットするシーンが一か所もなかったこと。

 

りすかが決め技の変身を披露するときは、お決まりの変身バンクとして、リストカットして手首の大動脈から噴水のごとく大量出血している、グロテスクだが目にも艶やかなビジュアルイメージが念頭にあったが、どうやら題名から連想して手前勝手に独創した先入観がいつの間にか本家を押しのけて固定観念になっていたようだ。

 

こうなると2巻3巻も、漠然と覚えている記憶とはかなり違う展開かもしれない。

 

一度読んでストーリーや落ちを把握した小説を二度読むことは滅多にないし、楽しめることはさらに稀有だが、今回のような特別な経緯で二度読みの必要性が生じ、かつ楽しむ機会が得られたのは思わぬ収穫だった。

 

してみると、本作に限らず既に読了済みの大量の本の中にも、同様の楽しみ方でリサイクルできる作品があるかもしれないことになり、思わぬところで楽しみが爆増した。

 

とはいえ、とりあえずは本作の結末が目先の獲物である。

 

早く最終巻の4巻まで追いつきたくてうずうずわくわくが止まらない。