ざっくり雑記

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新本格魔法少女りすか2

さくさくと新本格魔法少女りすか2を読了。

 

グロテスクな流血必至にして必死の魔法少女バトルはさらにパワーアップ、というかエスカレートしていく。

 

512の顎関節を持つ第2の魔法少女(2000歳超)も参戦し、魔法少女の概念も人体の構造も形を保てなくなってきている。

 

そんな本作にてグズグズに崩壊しつつある魔法少女という概念、というかジャンルについて、本書を読んでいて、淡い感慨を覚えたとりとめのない考察を一つ言葉にしてみる。

 

近現代の魔法少女というジャンルは見たところ、キュートでファンタジックなビジュアルと超能力を持ついたいけな少女たちが、ひたすら過酷でただただ悲惨な現実に容赦なく蹂躙され、肉体的精神的に追い詰められて苦悩する様に惹かれる層をターゲットとして、倒錯した嗜虐趣味を満足させる一大市場を形成し、隆盛と猖獗を極めている。(偏見)

 

本作のような、元型に対するアンチテーゼ的な作品群が引きも切らず続々と生み出され、いまだに相当数の消費者から愛顧されているのは、それだけ元型のテーゼに強力な普遍的魅力と懐の深さがある証左であり、魔法少女というジャンルを草創した先達の偉大なる業績に、つくづく心底からの敬服と、豊饒なエンターテイメント分野を下支えしてびくともしない強固で広大な土台を築いてくれた功労に多大なる感謝の念を表したい。