オーシャンズ11
11人の犯罪のスペシャリストが一致団結して冷酷なカジノオーナーから1億6000万ドル(とリーダー:ダニー・オーシャンの妻)を盗む、痛快なケイパー映画。
本作について調べていて、ケイパー(強盗)映画なんていうジャンルを初めて知った。
強盗チームに参加する11名の個性的な面々(とアクの強い敵役と眉目秀麗のヒロイン)それぞれがキャラを立てつつ存分に活躍して二時間に収まっている驚異的なコスパを誇る群像劇。
運転手としてチームに参加した兄弟が運転とはあまり関係ない雑務に携わる場面が多いが、絵面が地味な反面、壮大なプロジェクトに欠かせない重要な役どころを担当し、忙しく八面六臂の活躍をしている。
スペシャリストばかり集まると、彼らの特殊化された技能分野に分類されない雑務がどうしても余ってしまう。
劇的にはそういう些末な部分の描写は端折って見どころだけを贅沢に寄せ集めてもいいんだろうけど、そういう細かいところまで表現されていると、物語のリアリティが格段にパワーアップして個人的には好感が持てる。
なので本作の個人的MVPは、運転手とは名ばかりの雑務担当という貧乏くじを引かされた兄弟に贈りたい。