日本よ、これがWARASHIBEだ!
無職のカナダ人青年カイルが、ある日思い立って、手元にあった赤いクリップを物々交換を重ねていって、最後に家を手に入れるまでの波乱万丈の経緯をテンポよくまとめた一冊。
日本でいうところのわらしべ長者を地で行った。
物々交換を重ねてどんどん所持品が大きく価値あるものになるにつれ、世間の注目度もうなぎ上りになり、各種メディアに引っ張りだこになる。
途中で日本のバラエティーにも呼ばれ、そこでなんとわらしべ長者の話を知ることにもなった。
昔話のわらしべ長者のとんとん拍子の成功は多分に運によるところも大きかったが、現代は物々交換相手を物色するのに、運を補って余りあるインターネットという最強のツールがあり、カイルもその強大な力を余すところなく活用し目的を達成している。
だが何よりも注目すべきは、カイルの行動力である。
彼が最初に交換したのは、クリップと魚の形のペンではなく、無為と行動である。
何かを手に入れるには動き出すことが大事だということがよくわかるエピソード。
全部読んでからカバーの絵を見ると感慨深い。