ざっくり雑記

ざっくりとした雑記です

眠りがもたらす奇怪な出来事

 

睡眠障害の専門家である神経科医が、自身が担当した奇怪な症状を呈する睡眠障害患者のエピソードを呼び水にして、身近でありながら未だ謎に満ち満ちた睡眠という生理現象の広大無辺の境地へ読者を誘う。

 

この本を読むと、睡眠というのが単なる意識の途絶ではなく、人体を構成する多くの要素と複雑な相互作用を為す奇跡的なバランスの上に成り立つ精緻極まりない生理現象であることが分かる。

 

多くの知見に触れて睡眠に対する理解が深まるが、それよりも、その原理の途方もない謎に圧倒され、畏敬の方が先に立つ。