俺も戦争を教えてもらえなかった
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一時期テレビによく出ていた、若いわりに態度の大きさが印象的だった社会学者の本を見かけたので読んでみた。
戦後生まれの著者が、世界中の戦争博物館を見学しながら、第二次世界大戦などの戦争の実態を明らかにしようとする。
同じ戦争を取り扱っている戦争博物館なのに、国によって戦争のとらえ方が違って面白い。
また、国ごとにとらえ方が違うどころか、国と国民とのとらえ方が違ったり、果ては国民同士でも、世代や立場で違っていたりするからきりがない。
突き詰めると、戦争には明らかになるような明確な実態はないということになった。
十人十色、人と国と博物館の数だけ戦争はある。
巻末には、戦争について著者とももクロとの対談が収められている。
戦争とももクロという異色の組み合わせなのに違和感がないあたり、著者のインタビュー力と編集力の高さがうかがわれる。
自分の主義主張を好き勝手に振りかざせる本というメディアでありながら、テレビより真摯で謙虚な印象を受けるのは意外だった。