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寺田寅彦 随筆集 第一巻

 

寺田寅彦随筆集 (第1巻) (岩波文庫)

寺田寅彦随筆集 (第1巻) (岩波文庫)

  • 作者:寺田 寅彦
  • 発売日: 1963/01/01
  • メディア: 文庫
 

物理学者にして文筆家でもある寺田寅彦の随筆集。

 

並外れた知性と感性の持ち主から見た世界がどういうものか、その端緒に触れられるセンス・オブ・ワンダーが凝縮した一冊。

 

他の本と比べて読了までに時間がかかった。

 

内容の濃さもあるが、一番大きな原因は意味のわからない難しい用語の量だ。

 

体感的には、1ページ読み進むごとにわからない用語が現れ、そのたびにググるのに読書を中断しなければならない。

 

しかし調べてみると、該当する文章の文意を的確に、なおかつ余計な文言を浪費せずに経済的に表現するのにこれ以上無いという用語ばかりなので、文意を正確に理解するために調べないわけにもいかない。

 

ネットの辞書で調べてみると、用語の例文が、今まさに読んでいる寺田寅彦の随筆の一文であることが非常に多く、著者の語彙に関する造詣の深さが、日本の文学界の中でも頭一つ抜けているのがよくわかる。