89参る 実家暮らしのツバメ
湿り気をたっぷり含有した重く強い風が一日中吹き付ける。
にじむ汗が湿気に邪魔されて乾かず、肌に居残ってベタベタする。
天気予報はいい方に外れて、日中は雨は降らず曇りで済む。
昨日見かけた駅構内のツバメは、今日は巣から飛び出して電光掲示版の上に止まっていた。
狭い構内を縦横無尽に急旋回しながら飛び回る様子を見るに、もう飛行にはだいぶ慣れてきている様子。
今は巣立ち直前の実家暮らしといったところか。
あらためて昨日の画像を見直すと、ほぼ成体のツバメが肩を寄せて何羽も巣に収まっている様子はいかにも狭苦しそう。
89度目のお百度参りを行う。
帰り道、住宅街の一画に、マラソンコースのスタートを示す標識が立っていることに今更ながら気付いた。
何十回となく通行し、慣れを通り越して飽きるまで見尽くした風景の中に、以前から存在していたのにずっと見落としていた物を見つけて驚くことがたまにある。
こういう現象に遭遇すると、部屋を掃除しててお金を見つけたのと似た驚きと喜びが重合した気持ちになる。