ざっくり雑記

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道具

今日、おふろカフェビバークでのんびりしながら読んだ本。

 

ツールズ

ツールズ

 

人生でぶつかるあらゆる問題に立ち向かうための、心構えを養う「道具(ツール)」についての本。

 

サイコセラピストのバリーが、自分の仕事に限界を感じたときに出会った精神科医フィルの教えについて述べている。

 

問題に突き当たったとき、「苦しみを望み」「愛を進んで与え」「内なる権威と繋がり」「感謝の流れを感じ」「それらを意思の力によって続けていく」という5つの道具全て、あるいはどれかを利用することで、問題を克服できると説く。

 

口当たりのいい、読むだけで気分が良くなるタイプの自己啓発本ではない。

 

特に、「苦しみを望む」のと、「意思の力で続ける」という道具は、煎じ詰めれば根性礼賛の精神論に近い。

 

苦難に見舞われた人間が陥りがちな、現実からの回避傾向を否定し、真っ向から立ち向かう姿勢を豊富な臨床例の裏付けに基づいて推奨する。

 

そして、その戦いに終わりはなく、死ぬまで続くのだと、うんざりする真実を突きつける。

 

ただ、死ぬまで続く過酷な運命との正々堂々とした真っ向勝負こそが、人の幸せであるとも説く。

 

寿命が尽きた死の間際で人生を振り返ったとき、運命との真っ向勝負を避け、あるいは途中で投げ出した結果、取り逃がしてしまった膨大な幸福の損失を悔やむほど恐ろしいものはないというのが、この厳しい道具を使って人生に一生懸命取り組むべき理由だ。

 

気の持ちようで現状の不平不満から目をくらまし、その場しのぎのまやかしの安心感を与えてくれるような、小手先のトリックを解説した本とはちょっと毛色の違う一冊。