ざっくり雑記

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パワエレ図鑑

パワーエレクトロニクスの基礎と実用例を概説した図鑑。

 

パワーエレクトロニクスという言葉は、日常に普及して見慣れてはいても、その実態を把握していない言葉の一つだったが、本書を読んでその意味するところが大分理解できた。

 

パワーエレクトロニクスは、自然な状態では非常に危険で不安定で不便極まりない電気というエネルギーを、効率のよい実用に適する状態に変換するテクノロジーの総称である。

 

例えば、安定したエネルギー供給のために電圧を一定に維持したり、モーターを使って電気を運動エネルギーに変換したり、電力の損失を削減してエネルギー効率を高めたりといったテクノロジーがあり、電気エネルギーに依存した現代の私たちのありとあらゆる活動が、パワーエレクトロニクス抜きではまともに成り立たなくなっているほど重要なテクノロジー分野である。

 

新しく就いた仕事で必須となる知識を学ぶために、親しみやすいコミカルな表紙の絵柄に惹かれて読んでみた。

 

電気的な基礎に関してはわかりやすく懇切丁寧に解説されている雰囲気は十二分に伝わってくるものの、いかんせん、こちらの理解力が低すぎて一読しただけではいくらも内容を理解できなかったのが悔しい。

 

とはいえ、断片的に理解できた部分だけでも、日常生活で当たり前のように便益を享受している電気エネルギーを利用した機器やサービスが、数多くの高度なパワーエレクトロニクスのテクノロジーとそれを運用する大勢の人々に支えられた、先人の卓越した研究の精華であり、専門家のたゆまぬ誠実な働きの結晶であることはよくわかる。

 

パワーエレクトロニクスへの理解を深めるために、何度も読み返したい一冊。